1.クレジットカードのキャッシング
利用する側から考えるとクレジットカードでのキャッシングも、消費者金融業者が発行するキャッシング・カードも機能面や金利面での差はありません。一般的にクレジットカードの金利は低いイメージがありますが、貸金業規制法改正前の金利では逆に、消費者金融業者の金利よりクレジットカードのキャッシング金利が高い例もありました。
キャッシングに関しては消費者金融業者もクレジットカード会社も上限金利をオーバーするグレーゾーン金利の範囲で貸付を行っていたことに違いはありません。むしろ高金利であることに気づかなかったケースは、イメージのよいクレジットカード会員に多かったのではないかと思います。
法改正となり上限金利の引き下げが確定した今、企業イメージではなく、現実の金利を確認したうえでキャッシングを利用することがより重要になりました。
キャッシングの金利面では消費者金融会社とクレジットカード会社に差はありませんがサービス面ではどうでしょうか?
借入方法は利用できるATMが多いほど便利になります。特に銀行などの金融機関のATMは、貸金業者専用のATMに比べて格段に利用しやすくなります。この点でも中小の消費者金融業者ではクレジットカード会社ほどの提携ATMはありませんが、大手消費者金融業者に関しては提携ATMの数でもクレジットカード会社にひけをとりません。
ATM以外でもインターネットや携帯電話による振込キャッシングサービスは双方で提供しているもので大差ありません。返済面でもコンビニATMを利用した24時間返済のサービスもいまや常識となっています。
こうして比較してみると消費者金融会社とクレジットカード会社のキャッシングにおける格差はほとんどなく、単なるイメージの差だけのようです。
クレジットカードのキャッシングは本来付加的なサービスであり、メインはあくまでショッピングです。ところがグレーゾーン金利の存在がキャッシングを収益の高い事業にしてしまったため、クレジットカード会社はキャッシングが利用しやすいようATMの増設、銀行ATM、コンビニATMとの提携、インターネット、携帯電話の振込キャッシングなどを推し進めてきました。
結果グレーゾーンの撤廃とともに過去のつけが、過払い金利の返還請求や経費の増大として収益を圧迫しています。
クレジットカードのキャッシングはあくまで一時的に数日間利用するのが本来の使い方です。もともと銀行系のクレジットカードのキャッシングの返済方法は1回払いしかありませんでした。キャッシング専用のカードを持っているのであれば、それも必要がないことですから、今後はキャッシング機能がないクレジットカードも普及するのではないでしょうか。