11.ブラックリストはあるか?
ブラックリストという言葉は少なくともクレジットカード業界では死語となっています。この言葉はいろいろな業界で使われていますが、金融業界で使用される場合、返済能力がない顧客のリストという意味で使われます。
かつては各社で支払いが遅れている顧客のリストを交換していた時期があったのです。個人信用情報機関が今ほど普及していない時代には手作業でリストを作成し、各地域で同業者が定期的に集まってリストを交換し合っていました。
もちろん個人情報保護法などもない時代で顧客の氏名・年齢・住所・支払い状況などを顧客の承諾なしに交換していたのですから、今であれば全国ニュースになってもおかしくない行為でした。ある信販会社では警察OBを通して犯罪歴を入手していたという記事が雑誌に掲載されたこともありました。
しかし個人信用情報機関の発達とともにブラックリストの交換はなくなり、いわゆる「ネガ情報」という言葉に代わりました。
個人信用情報機関に信用状況を登録して共同利用することは、各種の契約書や申込書の裏面約款に記載されており、署名することにより顧客の承諾を得ています。そのため個人信用情報機関のネガ情報は合法的な情報交換となっています。
ネガ情報には各社の遅延情報以外にも弁護士が介入して債務整理などを行った情報や、官報に記載された自己破産情報なども含まれます。またクレジットや貸金業にかかわる不正や事件などの情報も登録されるケースもあります。
これらのネガ情報はいつまで登録されるのでしょうか?ブラックリストの時代は明確な規定がなく、いつまでも審査対象外になっていましたが、現在のネガ情報は個人信用情報機関により登録機関が明確にされており、期間の経過とともに情報は削除されます(下記の表参照)。
個人信用情報機関名 | ネガ情報保有期間 | 官報情報保有期間 |
---|---|---|
全情連 | 事実発生から5年 | 10年 |
CIC | 契約終了後5年 | 7年 |
KSC | 契約終了後5年 | 10年 |
かつて支払い遅延などでネガ登録されたことがある方もその後の信用回復を目指すのであれば、上記の表を参考にして一度各個人信用情報機関へ登録情報の開示請求を行うことをお勧めします。
ただし個人信用情報機関ではネガ情報が消去されても各業者の社内情報は削除されていない可能性があります。
まずは利用したことがない業者に申込み、実績を作ることが先決です。実績はお金を借りることではなく、クレジットカードでのショッピング利用などを地道に積み重ねることが重要です。貸金申込みは審査基準が高いうえ資金不足をアピールすることにもなりますので、信用回復手段としてはお勧めできません。